ごく普通のサラリーマン家庭である町田家。
夫の“剛”、息子の“聡”、そして妻であり母である“遥”の3人は、暖かく穏やかな日常を送っていた。
そんな家庭の一員に迎え入れられた“雅人”――両親を亡くし、一番近い親戚である町田家に引き取られた彼は、ルックスも良く成績も優秀で、少し大人びた青年だった。
雅人は仕事が忙しい剛に代わり遥を支えるようになり、剛もまた彼を信頼し留守がちとなっていった。
そしてある日……剛は出張、聡は部活で外泊した夜、雅人は遥に一人の女性として愛している事を打ち明ける。
驚くばかりの遥だったが、彼が初めて見せる弱音や切ない想いに、ついには身体を許してしまうのだった。
それはたった一度だけの過ち……二人だけの秘密のはずだった。
だが、その行為の一部始終を、密かに見ている者がいたことを、遥は気づいていなかった……。





