主人公“刑部尚也”は、スロット専門店『Bisca』で、寮に住みながら働く、エリートとは程遠い、どちらかと言えば、駄目な方向の青年。
その彼が仕事に疲れ、寮まで帰る夜道に『彼女』は現れた。
「7日後―・・・貴方を消去します」――どう見ても普通には見えない女の子に唐突にそんな話をされたところで、信じられるはずもない。
理不尽に消されるその対価、一つだけ……願いを叶えられるそうだが、ますますもって怪しいところ……。
それでも、そのまま忘れてしまうには不自然な彼女の存在に、釈然としないものを感じながらも、その日は彼女を置き去りに、自宅である寮へと帰る。
そもそも、今日だって忙しかった。
新人として入ってきたスタッフ“永畑雛菜”は、世間知らずのお嬢様みたいだし、育成担当は自分が任される事になった。
そして、同僚のカウンターチーフである“老原貴代”は、相変わらず今日も、キツイ言葉を投げかけてきた。
そんな一日を思い出しながら、明日の仕事の為、身体の疲れを癒す為、いつものように、眠りに就く事にする。
自らが消去されると言われた日まで、後7日―・・・。
※ご購入時にダウンロードしていただくファイル(700MB)以外に、同封ファイルに記述されているURLからさらに追加3ファイル(700MB×2，492MB×1)のダウンロードが必要です。
追加ファイルはいつでもダウンロードできますのでご安心ください。

■□■ストーリー■□■『何かが変わることなんてないと思ってた』中原空は母親の療養の為に都心を離れて「猫鳴町」に引っ越してきた。
磯の香りとどこか懐かしい匂いのする町並み。
何もないけれど、なぜか温かい。
でも何も変わらないと思っていた……深夜、空は海辺で大塚病院に入院している少女と出会う。
尊大な態度と不思議な雰囲気の彼女に、どこか懐かしさを覚える。
次の日、母の見舞いにやってきた空は、白昼の中庭で彼女と再会するすこし驚く空に向って、『私がお前の友達になってやる』と強引に空に宣言をしたのだった。
友達という関係に複雑な思いを抱きながらも空は心に温かさを感じる。
二人は周りの少々癖のある住人を巻き込みながらも交流を深めあっていく。
陰のあった空の心境も徐々に明るくなっていく。
目にも見えず言葉にもしにくい奇妙な関係を築いて……。
幸せを感じ始めたとき又世界が変わろうとしていた。
二人が出会った時、捻れ曲がった複雑な運命は交差する。
忘却の運命は彼らを翻弄するのか導くのか……。
出会いのもたらす数奇な軌跡の行く末は―――『人の手は繋ぐ為にある』儚くて懐かしい、暑い夏のちょっぴり不思議な物語。
■□■登場キャラクター■□■●宮倉 海(みやくら うみ)「この私が友達になってやろうというのだ。
喜べ。
特別中の特別だぞ」属性:ツンデレお嬢特技:強気好きな物:和菓子(特に羊羹)嫌いな物:品のないプライド 肉 ニンジン空が猫鳴町の海で出会った少女。
分け隔てなく接してくる空に好意を寄せる。
元々が金持ちの令嬢であったこともあり、立ち振る舞いや言動はやや高圧的。
誰に対しても自然に尊大な態度を取る為、大抵は第一印象があまり良くないように取られる。
強がっているが腫れ物扱いされることが多かったので、本質的には寂しがりや。
菜食主義で肉を好まないが、嫌いな野菜も多い。
主にニンジンが食べられない。
●結城 陸(ゆうき りく)「パフェは主食よ!」属性:男勝り幼馴染み特技:弓道五段好み:パフェ 空苦手:無情 母親空の生まれた頃からの幼なじみ。
友人や恋人の粋を超えた関係がある。
母親同士が旧友であり、幼い頃から何かと交友があり、殆ど姉弟のような関係。
性格はさっぱりしており、男女関係なく好かれる。
空はそんな陸に振り回されてばかりだが、決してまんざらではなく、一度として不満を漏らしたことはない。
昔からいじめられている空を助けるのは陸の役目だった。
空にとってはお姉さん的位置だが、陸本人は対等な友人だと思っている。
●奄美 早苗(あまみ さなえ)「わ、私、男の子の友達なんて作ったことないから、どうすればいいのか…」属性:ガチガチ勉強娘特技:記憶術好み:図書館苦手:騒がしい場所 お喋り猫鳴町の住宅街に住む少女。
幼少の頃からの英才教育で育った優等生で、極度の男性恐怖症。
大人しい性格もあり誰に対しても寛容的。
自分の意見を持っていないわけではないが、相手に伝える勇気を持てないでいる。
親が決めた進路を歩むことを、空と出会うまで当たり前だと思っていた。
以降、消極的ながら自分の意見を外に発しようと努力もする。
●夜坂 由佳(よざか ゆか)「えぇ、今朝はわさびごはんよ!」属性:ツンツン娘特技:合気道術 喧嘩好きな物:シンプル苦手な物:理屈猫鳴町の喫茶店『ファニー』の看板娘。
奄美とは友人で、互いに名前で呼び合う仲。
過去に荒れていた時期があったが、奄美と出会った事で幾らか改善された様子。
しかし性格は荒っぽいまま…。
家事一般は壊滅的で、料理一つするだけでも厨房を散らかしてしまうほど。
料理ベタを自覚しているが、やれば何とかなるとも思っている。
考えるより先に行動するタイプで、爆弾でも取り合えず触って確かめてみる●神谷 実(かみや みのり)「いや、私と同じ匂いがするかなぁって…。
少し違うかな。
特技:演技 新体操好きな物:可愛い物 主人公の手料理苦手な物:龍言寺の料理空が越してきた猫鳴町のアパートの隣の部屋に住んでいる学生。
部活では演劇部に入っているらしく、よく演技の練習をしている。
また将来的には女優も目指しているらしい。
普段はクールだが、気の知れた相手には過剰に甘える甘え癖がある。
しかし仲が良くても誰にでも甘えるわけではなく、甘えさせ上手な相手にだけ甘える。
空の自然な優しさをいたく気に入る。
自称・『女の勘』は鋭く、大抵のことは見抜いてしまう。
その為、人の痛みにとても敏感。
●佐山 歩(さやま あゆむ)「必要以上の情なんか持ったらこんな仕事できやしないのよ」属性:超現実主義者特技:カウンセリング 退屈な日常の過ごし方好きな物:理論 仕事 サラミ苦手な物:オカルト空の母親が入院している大神療養院の女医。
また、海の担当医でもある。
常に冷静な大人の女性だが、激情したりと人間臭い一面も。
医者としての生き方を承知しており、権力などには一応従っているが、患者を大切にしようとする姿勢が強い。
そのせいであまり楽な人生を送っていない。
特に口では海を一患者としてしか見ていないと言い張るが、思い遣る姿もよく見られる。
●龍言寺 綾乃(りゅうげんじ あやの)「駄目ね、不合格」属性:身長ブラ童顔コンプレックス特技:文才好きな物:合理性嫌いな物:非合理性 人間観神谷の所属する演劇部の部長であり、脚本なども束ねる実力者。
部員からは『座長』と呼ばれている。
文才が高く、コンテストなどで幾つも賞を取っている。
絵本・小説・脚本など問わず、文章に関わる全ての分野に精通している。
妥協が嫌いで、納得のいかない物は他人の物でも関係なく、納得のいくまでやり直させる。
演技指導にしても台詞一つ仕草一つに至るまでこだわりがある。
●津山 舞(つやま まい)「そんな綺麗なんてこと……」属性:強がり不良娘特技:剣術好きな物:甘い夢嫌いな物:暗いこと夜坂の荒れていた時期の友人。
夜坂とは既に袂(たもと)を別っているが、未だにつっぱった生き方をしている。
しかし不良の資質はない様子。
通常は一人称が「俺」だが、動揺したりすると本来の「私」に戻ってしまう。
これは一人称一つとっても彼女が無理をしていることが伺える。
奄美との出会いを期に、夜坂が一人だけ更正してしまったことが気に食わない。
その為、夜坂にはきつく当たる。
津山本人は照れくさくて、今更元の真面目に戻ることができないでいる。