主人公“栂野遥平”は、母と従姉の三人暮らし。
母“夏帆”は自らの事務所を構える会計士。
そして従姉“文香”はキャリアウーマンの夏帆に代わって家事を取り仕切っていた。
二人とも遥平に対して惜しみない愛情をそそぎ、その成長を見守ってきたのだ。
しかし遥平は誕生日に衝撃の告白を受けることになる。
それは夏帆が実の母親ではなく父親の姉（伯母）であるということだった。
そして本当の母親は病気で亡くなったと説明された。
遥平はショックを受けるが、同時にもともとマザーコンプレックス気味であった彼は、それ以降、夏帆を母親ではなく一人の女性として強く意識してしまう事になる。
多少ぎこちないながらも母、姉、息子としてなんとか日々を過ごしてきたが、ある日、マンションの隣の部屋に“母袋郁江”という夏帆と同年代ぐらいの女性が引っ越してくる。
何故か遥平を見た途端、感極まったように涙ぐむ郁江と、そんな郁江の姿を見るや顔面蒼白になる夏帆。
郁江は、遥平の実母の親戚である事を告げ遥平を養子として迎え入れたいと申し出る。
当然、夏帆と文香は、申し出を断るのだが……。